海事都市尾道市は、海事産業の人材確保・育成、海事産業の持続的発展、海事思想の啓発など地域の特性を活かした『海のまちづくり』を推進しています。

はじめに

海に寄り添う町・尾道の歴史をひもとけば、そこには絶えず海(ここには相関する港や船も内包する)の存在が大きく出て来る。旧尾道では、尾道の都市形成の発端となった大田庄(おおたのしょう)(世羅町)の倉敷地指定に始まり、中世の遣明船(けんみんせん)貿易、近世の北前船と港繁盛、また、みなと祭で今に讃えられる平山奉行の住吉浜築調も忘れてはならない。

向島・因島は“造船の島”として、地場産業の雄たる造船業の存在は、近代以降の事とは言えど、島の歴史にとってすこぶる大きいものがある。更に時代を遡れば、日本史上で名の知れた『水軍』の勇姿が甦って来る。言わずと知れて因島は村上水軍(因島村上氏)の本拠地であり、向島にも水軍の史跡が幾つか残る。

海事都市のキーワードは、主として造船・舶用工業の産業的観点で捉えられているが(産業海事都市)、これら歴史的観点からしても、海事都市(歴史海事都市)という文言はすんなり受け容れる事が出来るだろう。

尾道水道

海をめぐる歴史と文化