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文学のこみち

ページID:0014040 更新日:2017年2月6日更新 印刷ページ表示

林 芙美子の文学碑越しに見るロープウェイは、尾道らしい景色です。中村 憲吉句碑 旧居から徒歩圏内です。ぜひ併せてご覧ください。
 気候温暖で風光明媚な尾道は、古来より天然の港として発達し、その風向・文化を求めて多くの文人墨客が訪れ、滞在しました。
 尾道ゆかりの25名の作家・詩人の詩歌・小説の断片等を千光寺山山頂から中腹にかけて点在する自然石に刻み、その静かな散歩道を「文学のこみち」と名づけました。
 彼らが愛した尾道の風景、そこに住む人々の心が、碑に刻まれた詩歌の中から聞こえてきそうです。

文学のこみち入り口(千光寺山ロープウェイ山頂駅横)文学のこみちは、自然ゆたかな散策道です。(十辺舎 一九句碑)千光寺山山頂から千光寺、鼓岩付近までに文学碑が点在しています。

徳冨 蘇峯(とくとみ そほう)

 海色山光信に美なるかな
  更に懐う頼子の出群の才を
 淋離たる大筆精忠の気
  維新の偉業を振起して来たる

前田 曙山(まえだ しょざん)

 浜焼きをむしりつゝ
  春惜しむな里

正岡 子規(まさおか しき)

 のどかさや
  小山つづきに塔二つ

物外(もつがい)

 あれは伊予
  こちらは備後春の風

十辺舎一九(じっぺんしゃいっく)

 日のかげは青海原を照らしつゝ
  光る孔雀の尾の道の沖

金田一 京助(きんだいちきょうすけ)

 かげともの をのみちの
  やどの こよなきに
 たびのつかれを
  わすれて いこへり

江見 水蔭(えみ すいいん)

 覚えきれぬ
  島々の名や夏がすみ

志賀 直哉(しがなおや)

 六時になると上の千光寺で刻の鐘をつく。ごーんとなると直ぐゴーンと反響が一つ、又一つ、又一つ、それが遠くから帰ってくる。其頃から昼間は向島の山と山との間に一寸頭を見せている百貫島の燈台が光り出す。それがピカリと光って又消える。造船所の銅を溶かしたような火が水に映り出す。(暗夜行路より)

林 芙美子(はやし ふみこ)

 海が見えた。海が見える。五年振りに見る尾道の海はなつかしい、汽車が尾道の海へさしかかると、煤けた小さい町の屋根が提灯のように、拡がって来る。赤い千光寺の塔が見える。山は爽やかな若葉だ。緑色の海向うにドックの赤い船が帆柱を空に突きさしてる。私は涙があふれていた。(放浪記より)

緒方 洪庵(おがた こうあん)

 軒しげくたてる家居よ
  あしびきの
 山のおのみち道せまきまで

巌谷 小波(いわや さざなみ)

 大屋根はみな寺にして風薫る

山口 玄洞(やまぐち げんどう)

 明徳を明らかにす

山口 誓子(やまぐち せいし)

 寒暁に鳴る指弾せしかの鐘か

柳原 白蓮(やなぎはら びゃくれん)

 ちゝ母の声かときこゆ瀬戸海に
  み寺の鐘のなりひびくとき

河東 碧梧桐(かわひがし へきごとう)

 瘞紅の碑あるあり四山眠れるに

竹田・竹下・伯秀(ちくでん・ちっか・はくしゅう)

 瘞紅碑

松尾 芭蕉(まつお ばしょう)

 うきわれを寂しがらせよ閑古鳥

中村 憲吉(なかむら けんきち)

 千光寺に夜もすがらなる時の鐘
  耳にまぢかく寝ねがてにける

俚謡(りよう)

 音に名高い千光寺の鐘は
  一里聞えて二里ひびく

吉井 勇(よしい いさむ)

 千光寺の御堂へのぼる石段は
  わが旅よりも長かりしかな

古歌(こか)

 ぬばたまの夜は明
  ぬらし玉の浦に
 あさりする鶴鳴き渡るなり

小杉 放庵(こすぎ ほうあん)

 岩のまに
  古きほとけのすみたまふ
   千光寺山かすみたりけり

菅 茶山(かん ちゃざん)

 鳴椰漸く遠く夕陽沈む
  水波始めて怡にして山影深し
 山は皆珍松奇石を雑う
  人は龍鱗を撫で虎額を踏む
 此の石鼓々と踏めば声有り

陣幕 久五郎(じんまく きゅうごろう)

 うけながら風の押す手を柳かな

頼 山陽(らい さんよう)

 磐石坐す可く松拠る可し
  松翠缺くる処海光露わる
 六年重ねて来たる千光寺
  山紫水明指顧に在り
 萬瓦半ば暗くして帆影斜なり
  相傳う残杯未だ傾け去らず
 首を回らして苦に諸少年に嘱す
  記取せよ先生曽て酔いし処と

ご案内

所在地 千光寺山ロープウェイ山頂駅横~鼓岩付近
延長距離 約1km
所要時間 約1時間

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